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望月 祐志*; 舘脇 洋*
Journal of Chemical Physics, 116(20), p.8838 - 8842, 2002/05
被引用回数:16 パーセンタイル:45.25(Chemistry, Physical)全電子のDirac-Hartree-Fock法を並列処理を駆使することによって、3価キュリウムイオンの6水和錯体モデルにまで適用した。さらに、蛍光スペクトルの評価のために閉殻完全CI計算も行った。同様の計算を等電子系のガドリニウムイオンについても用い、結果をキュリウムの場合と比較した。一連の計算により、水和の本質が配位結合による安定化であること、水側からイオンへ相当量の電子供与があること、結果として蛍光スペクトルが赤方レフトすること等が明らかになった。
矢川 元基
エネルギーレビュー, 22(1), p.52 - 53, 2002/01
計算科学技術は今日の最先端科学の基盤を支える原動力となっている。日本原子力研究所計算科学技術推進センターの役割と活動内容及び計算科学技術が原子力研究等にもたらした成果について述べる。
望月 祐志; gren, H.*
Chemical Physics Letters, 336(5-6), p.451 - 456, 2001/03
被引用回数:14 パーセンタイル:41.27(Chemistry, Physical)シリコン結晶から切り出し、水素終端化したクラスターモデルに対して、並列処理を援用する大規模な線形応答計算を行い、分極率並びに励起エネルギーを評価した。最大のSiHでは静的分極率として3.87Åが得られ、結晶シリコンの実験値3.64-3.76Åによく対応する。
望月 祐志*; 小出 洋; 今村 俊幸; 武宮 博*
Journal of Synchrotron Radiation, 8(Part.2), p.1003 - 1005, 2001/03
アデニンとグアニン、この2つのプリン塩基分子は、DNAを構成する重要な化合物だが、これまでその物性は原子価電子によるものがおもに取り上げられてきた。原子価電子は非局在性が高いため、原子の局所的情報を得るには不向きである。一方、内殻電子にかかわるX線吸収スペクトルは、Xの局在性故に各原子の局所的化学環境が調べられている。この研究では、プリン塩基の窒素K殻スペクトルを、プリン環への化学修飾、水和などを組み合わせた一連の系へのHF-STEX,RASSCF計算によりシミュレーションし、窒素原子K殻吸収端エネルギーがいかにシフトするか系統的に評価する。この計算の遂行には大規模な並列処理にするが、将来さらに大型の計算も可能とするよう、異機種計算機上での分散並列への対応も合わせて進めている。
小林 穣*
JAERI-Data/Code 2000-022, p.85 - 0, 2000/03
日本原子力研究所計算科学技術推進センター(CCSE)では、これまで原子力分野の典型的なコードから構成されている並列ベンチマーク・テスト(BMT)コードを開発・整備してきている。これらのコード群は、計算機の性能を評価するのに有効であり、また利用者が性能評価結果を参照しながら類似コードを並列化することも可能である。CCSEで開発・登録されているBMTコードは数値計算法により分類されており、分子動力学、PIC法、有限差分法及び有限要素法コードである。今回、モンテカルロ法のコードが新たに並列BMTコードに追加された。モンテカルロ法の並列BMTコードのもととなるコードは原子力分やの粒子輸送問題で広く使用されているMCNPである。最新版であるMCNP4BのPVM版をもとにして、MPI版を作成し、原研内の4種類のスカラー並列計算機で性能測定を実施した。さらに、MPI版MCPN4Bをもとに、モンテカルロ法を用いた並列BMTコードの開発を行った。本コードは、解析対象により臨界計算と固定源問題の2種類用意している。
武宮 博*; 山岸 信寛*; 今村 俊幸; 上野 浩一*; 小出 洋; 辻田 祐一; 長谷川 幸弘*; 樋口 健二; 松田 勝之*; 平山 俊雄
JAERI-Data/Code 2000-013, p.52 - 0, 2000/03
計算科学技術推進センターでは、並列処理基盤技術開発にかかわる研究開発の一環として、複数の計算機を用い科学技術計算の並列分散処理を支援する環境PPExeを構築している。TME(Task Mapping Editor)は、PPExeを構成するツールの一つであり、一連の処理の定義や計算機割付けを利用者が対話的に定義できるビジュアルプログラミング環境を提供する。TMEを用いることにより、利用者はプログラム間のデータ依存関係をデータフローに基づき視覚的に定義することができる。また、定義された処理を実行する計算機の指定もGUIを介して容易に行うことができる。定義された一連の処理は、TMEにより決定された実行順序にしたがって、PPExeを構成するほかのサブシステム、メタスケジューラ、計算資源利用状況モニタ、及び実行マネジャにより実施される。本報告書では、TMEの利用方法について述べる。
武宮 博*; 山岸 信寛*; 今村 俊幸; 上野 浩一*; 小出 洋; 辻田 祐一; 長谷川 幸弘*; 樋口 健二; 松田 勝之*; 平山 俊雄
JAERI-Data/Code 2000-010, p.49 - 0, 2000/02
計算科学技術推進センターでは、並列処理基盤技術開発にかかわる研究開発の一環として、複数の計算機を用いた科学技術計算の並列分散処理を支援する環境PPExeを構築している。TME (Task Mapping Editor)は、PPExeを構成するツールの一つであり、一連の処理の定義や計算機割付けを利用者が対話的に定義できるビジュアルプログラミング環境を提供する。TMEを用いることにより、利用者はプログラム間のデータ依存関係をデータフローに基づき視覚的に定義することができる。また、定義された処理を実行する計算機の指定もGUIを介して容易に行うことができる。本報告書では、TMEにおいて実現された種々の機能をまとめ、それらの機能の実装方式について説明する。
今村 俊幸; 小出 洋; 辻田 祐一; 武宮 博*
並列処理シンポジウム(JSPP2000)論文集, P. 168, 2000/00
多種多様な計算機をネットワーク上で連携させて、同時に計算を行うための通信ライブラリStampiを開発した。StampiはMPIに基づき、既存のMPIプログラムを修正することなく複数の計算機上で実行できる。またほかに通信機構の自動選択、間接通信、動的プロセス管理、データフォーマット自動変換、Stampi/Java,MPI-IO等を実現しており、利用者は複雑な内部機構を意識することなく複数の並列計算機を効率的に利用できる。また、応用事例として(1)航空機の翼と流れの連成計算、(2)分子軌道計算、(3)粒子-流体ハイブリッドプラズマ計算等がなされている。
今村 俊幸; 辻田 祐一; 小出 洋; 武宮 博*
Lecture Notes in Computer Science 1908, p.200 - 207, 2000/00
各種並列計算機を接続したヘテロジニアスな計算環境において、MPIによる統一的なネットワークインターフェイスを実現するライブラリStampiについて報告する。StampiはMPI2仕様のサブセットに基づく、各種の機能を提供する。特に、複数計算機にまたがる動的なプロセス生成機能は従来開発されてきた単一計算機上での並列アプリケーションの分散化を容易にするばかりでなく、複数の並列計算機要素を組み合わせあたかも一つの計算機を利用可能な環境を提供する。本発表では、Stampiのソフトウェアアーキテクチャを紹介するとともに、その特徴であるメッセージルータ、動的プロセス生成、リモートIO、Stampi/Javaの実装方法並びに性能を示している。実験からStampiの性能は、短メッセージ通信においてオーバヘッドの影響からTCPの半分程度の性能となるが、長メッセージ通信においては95%を記録することがわかった。このことから、実アプリケーションにおいて十分実用的であることが示された。
加治 芳行; 荒井 長利; Gu, W.*; 中村 均*
JAERI-Review 99-016, 61 Pages, 1999/06
これまでセラミックス製構造物の新たな構造信頼性評価解析法の開発を目的として、潜在欠陥に関する微視的破壊力学をベースとする材料強度理論と連続体構造力学モデルとを融合させる、超並列計算システム対応の計算力学的手法を検討してきた。本論文は、その一環として計算力学プログラムの基本設計のうち主な項目に関係している確率論的構造力学の原理、定式の基礎事項及び並列処理計算のプログラミング手法について調査し、概要をまとめたものである。
小林 穣*; 樋口 健二
Mathematics and Computation, Reactor Physics and Environmental Analysis in Nuclear Applications, 1, p.371 - 378, 1999/00
日本原子力研究所計算科学技術推進センター(CCSE)では原子力分野で典型的なコードから構成されている並列ベンチマーチテスト(BMT)コードを開発・整備している。これらのコード群は、計算機性能を見積もったり、利用者自身が自分自身のコードを並列化する際のガイダンスとして活用したりすることが可能である。数値解法で分類するとCCSEで開発・記録されているBMTコード群は分子動力学、PIC法、有限差分法及び有限要素法のコードである。モンテカルロ法のコードが新たに並列BMTコード群に追加された。本論文では、並列化された粒子輸送モンテカルロコードであるMCNP4B-BMTの開発及びCCSEに設置されている3種類のスカラー並列計算機での性能結果について述べる。
折居 茂夫*; 渡部 弘*; 滝川 好夫*; 熊倉 利昌*; 久米 悦雄
計算工学講演会論文集, 3(1), p.43 - 46, 1998/05
日本原子力研究所では、1996年より並列計算機用ベンチマークテスト・システムの研究開発を実施している。講演では、まず本システムの開発状況を報告する。確立したベンチマーク仕様とベンチマークテストコードの一つ流体コード向けBiCGSTAB2-BMTによる、ベクトル計算機とスカラ計算機のBMT結果を示す。更にBMT結果を利用した性能評価を示す。この評価は、計算機利用の見地、プログラム開発の見地、計算機設計の見地という3つの見地から行われる。これらの見地で性能評価を実施することによって、並列計算機利用の促進と開発へのフィードバックを図ることが可能となる。
小出 洋; 武宮 博*; 今村 俊幸; 太田 浩史*; 川崎 琢治*; 樋口 健二; 笠原 博徳*; 相川 裕史
情報処理学会第56回(平成10年前期)全国大会講演論文集, p.3_613 - 3_614, 1998/00
異機種並列計算機をネットワークで接続した並列分散環境において、ネットワークや計算機の負荷など並列分散環境の動的な変化を考慮して処理を自動的に分配するメタ・スケジューリングの枠組を提案する。本メタ・スケジューリング方式では、ユーザあるいはコンパイラが生成した並列分散プログラムの中に挿入されているスケジューリングルーチンが計算機やネットワーク資源の各種情報を使用して、計算時間が最小化するように自動的に負荷分散を行う。
安達 宏典*; 川俣 陽一; 栗原 研一
技術研究会報告 (文部省国立天文台・電気通信大学), p.3 - 6, 1997/03
JT-60プラズマ断面実時間可視化システムは、磁場、磁束等の信号を受信した後、プラズマ断面位置形状の同定計算を行い全体像を描画し、一連の動作を実時間で行い動画として実験運転者に提供するシステムである。これまでの実運用の結果、本システムは、実験運転の効率向上に有効であることが認識されてきている。現在、本システムはRISC型ボード・コンピュータにより1回当りの同定計算と描画処理を約100ms程度の周期で行っている。従って、本システムの処理時間をフィードバック制御可能な数ms以下までに高速化することが要求される。そこで、本システムの同定計算処理を複数台の並列処理専用DSPによって実行させるシステムを現在開発中である。本講演では、並列処理プログラム用コンパイラを用いた開発手法と現在までの開発状況及び、今後の予定について報告する。
相川 裕史
プラズマ・核融合学会誌, 72(8), p.755 - 759, 1996/08
並列処理における共通基盤技術の開発に関して、本センターの設立趣旨、活動内容および設備などを紹介する。平成7年4月に設立されて、一年余り経過し、準備段階を経て、いよいよ本格的活動に入ってきた。主な開発項目として、Seamless thinkingを可能にするSTA(Seamless Thinking Aid)基本ソフトの開発、可視化デバッグ・システムの開発、並列計算用ライブラリの整備、並列計算法の類型化、並列計算における性能評価法の開発、実時間トラッキング/ステアリング・システムの開発などがある。また、これらの開発のための、複合並列計算機システムの概要も紹介する。
市原 潔*; 横川 三津夫; 蕪木 英雄
計算工学講演会論文集, 1(1), p.377 - 380, 1996/05
3次元非圧縮性流体コードに現われる圧力ポアソン方程式の並列化の例を示す。解法として赤黒SOR法、PCG法をとりあげ、ベクトル並列計算機VPP500において、スケーラビリティの評価を行った。赤黒SOR法については、スカラ並列計算機Paragonにおいても並列化を行い、VPP500におけるスピードアップ率と比較した。Paragonの場合は、スケーラビリティを阻害する要因が通信時間の増大のみであるのに対し、VPP500の場合は、それに加えてベクトル化率の低減化が関与することが定量的に示された。また、PCG法の場合は、DOループに含まれる演算のベクトル長が短いために、DOループ分割によるスケーラビリティの阻害がより顕著に現われることが判明した。
折居 茂夫*
HPC-58-5, 0, p.27 - 32, 1995/10
科学技術分野の高速数値シミュレーションを並列計算機で行う場合、シミュレーションの問題の性質、規模、計算機スキーム、アルゴリズム、プログラミング方法が、スケーラビリティに影響を与える。並列計算がシミュレーションプログラム中の並列性を利用するためである。更に、並列計算機のアーキテクチャ、性能仕様、言語等が並列計算機特有のオーバーヘッドを生み、並列性と密接に関係し、スケーラビリティの検討を困難にしている。本研究の目標は、スケーラビリティに影響を与えるパラメータを特定し、それらのパラメータを用いて並列処理時間のモデルを作り、測定と組み合せて、数値シミュレーションプログラムのスケーラビリティ検討方法を確立することである。本論文では、この方法を示し、妥当性を検討するため、例題にコレスキー法を用い、測定をVPP500、Paragonで行った。
not registered
PNC TJ1222 95-006, 101 Pages, 1995/02
昨今の計算機の高速化、大容量化、並列化処理に伴って、これまで実験等が困難で容易には把握しえなかった複雑な現象等を数値シミュレーションにより簡易かつ高速に把握できる計算科学技術が著しい進歩を遂げている。この技術は、原子力計算科学技術として、原子力分野ばかりではなく、将来の計算科学技術の開発への基盤を構築することになり、これを通じて他の科学技術分野へも大きな波及効果を与えるものと考えられている。アメリカにおける高度計算科学技術の最先端の動向に関する情報取得を目的として平成6年11月10日11月23日の間、海外調査を実施した。本調査では特に、1)最先端ハードウェアの開発現状/動向2)高速アルゴリズム開発/高速計算の現状3)シミュレーションモデル/アルゴリズムの開発動向4)可視化技術の動向に着目した。・スーパーコンピューティング'94・テキサス大学・ミネソタ大学・ノースウェスタン大学・クレイ社を訪問し、調査を実施した。調査の結果、科学技術計算の分野においては超並列計算がその中心となっていくものと考えられ、ハードウェア/ソフトウェア技術共により一層の発展が望まれる。
中川 正幸; 秋元 正幸
情報処理, 36(2), p.137 - 142, 1995/02
上記学会誌における特集「最先端の科学技術とスーパーコンピューティング」のための原子力工学分野について紹介したものである。内容としては原研におけるスーパーコンピューティングの現状をいくつかの例について紹介する。これには計算機資源と利用状況、核分裂と核融合炉の解析、原子炉の安全解析、知識化技術、計算科学等が含まれる。次にスーパーコンピュータを用いて高速高精度化に成功した一例として中性子、光子のモンテカルロコードの内容と評価をやや詳しく紹介する。最後にスーパーコンピューティングの新技術開発に果す役割について代表的な例を挙げて述べる。
折居 茂夫*
情報処理学会第51回 (平成7年度後期)全国大会論文集, 0, p.6.119 - 6.120, 1995/00
科学技術分野の高速数値シミュレーションを並列計算機で行う場合、シミュレーションの問題の性質、規模、計算スキーム、アルゴリズム、プログラミング方法が、スケーラビリティに影響を与える。これらの項目が、並列計算機の異なったアーキテクチャ、性能スペック、言語等と密接に関係するためである。このためLINPACK等の簡単なプログラムのベンチマークテストでは、ターゲット数値シミュレーションのスケーラビリティを検討することができず、このことが、並列処理数値シミュレーションの普及の妨げになっている。本論文では、任意のターゲットプログラムに対し、プログラムの計算時間のモデル化とモデルの任意定数を測定によって求めることによる、複数の並列計算機のスケーラビリティを検討する方法について述べる。